nanoKEYとnanoPAD届いた

nanoKEY & nanoPAD & ミク

KORGの小型MIDIデバイス、nanoシリーズのKEYとPADが届きましたよ。サイズは画像を見てもらえばわかるとおり。15インチのMacBook Proの横幅よりちっこい。

ソフトは付属してなくて、KORGのサイトからダウンロードする必要がある。おまけソフトのオーソライズコードだけ紙で入ってる。Mac(OS 10.5.5)だと基本的にドライバーのインストールは必要ないみたい。繋いだら即認識した。キーアサインなんかの細かな設定にはKORG KONTROL Editorが必須。けっこう細かく設定可能。

注目の質感だけど、nanoKEYはタッチ含めてかなーり安っぽい。ノートPCのキーボードと同じパンタグラフになってるらしいけど、安物のタッチ。ゴム足も取れかかってたし。キーが小さいのはしかたないとして、押すと外枠より深く沈むので、指を立てて弾かないと当たって弾きにくいのがマイナス。光る部分は気合い入ってる。接続するとロゴが光り、オクターブを変えるとLEDの色が変わるのでわかりやすい。

nanoPADはnanoKEYより重くて、遙かにしっかりした印象。1,000円違うとこんなに。叩いてみると、けっこうどつかないとベロシティが出ない。nanoKEYもそうなんだけど。この辺は調整で大丈夫か。横のボタンもパッドと同じゴム製なので、若干戻りが悪いのが残念。

付属ソフト。ちょっと期待してたEZ Drummer Liteは、キットがものごっつい中途半端。シンバルはクラッシュなし、タムはフロアのみ。ちっ。フルバージョンにアップグレードができて、それは11,000円くらいの模様。M1はどうでもいいのでパス。あと、Liveの割引券が入ってる。50ドル、けっこう大きい。でも、既にユーザーだったり。

まだちょっと触っただけだけど、今んとこの評価はnanoKEYは微妙、nanoPADはかなりグッド。

アラン・B・クルーガー 『テロの経済学』

テロに関する分析、主に統計。元になったのはロンドンでの講義。統計はまるで門外漢のぼくにはちょっと難しい内容。でも、結論は簡潔にまとまってる。クルーガーさんの論文は『戦争の経済学』でも引用されてた。

テロリストは、一般にいわれているように貧しく教育も受けてない人々ではなく、むしろ裕福な家庭で育ち、高等教育を受け、高所得の職業に就いている場合の方が多い、また、出身国は市民権が制限されている国が多い、というのが本書の主張。これを各種統計を基に論じている。

「えっ、そうだったの!」って驚く結論なんだけど注意点があって、テロの定義。最近は凶悪事件はなんでもテロ扱いだし。この本では「前もって計画された政治的動機に基づく暴力」で「広く大衆に影響を及ぼそうとする意図を持った、準国家組織や個人によって実行される」ものと定義されてる。だから、こないだの秋葉原の事件には政治的動機はないみたいなので、テロとは違うことになる。

政治に参加しようとする意欲が高いのは高学歴だったり高所得だったりすることが多いことも指摘されてて、これは言われてみればなるほどという感じ。高学歴ほど過激な思想を持ちやすい傾向があることも指摘されてて、これもうなずける。安保でも一流大学生が特に暴れてたし。母体がインテリ層メインになるんだ。こうしてみるとかなりきっちり理屈が通ってるなあ。すごい。ガンダムで過激に走るのがシャアってのもわかる感じである。どうでもいい話だけど。

過激インテリの確信犯相手だと、なかなか防止策といっても難しいだろうなぁと思う。それからテロと内戦の関係についてはいくつかの考察が述べられてるだけなので、詳細が知りたいな。

POD Farmリリース

LINE 6のTonePortの安いシリーズがリフレッシュされて、POD Studioになった。ハードは色が変わったくらいで前と同じみたい。アップグレードポイントは、GearBoxに替わるPOD Farmっていうアプリケーション。

つっても、これを書いてる時点でハードはまだ売られてない模様。POD Farmだけダウンロードできる。Monkeyで無料アップグレードできるのは、GearBox plug-inを購入してるPOD X3シリーズとTonePort DIのユーザーだけみたいで、しかもノーマル版。あと、今までplug-inに金払ってない旧TonePortなんかのユーザーはノーマルが49ドル、フルバージョンのPlatinumが249ドル。ぼくみたいに旧TonePortでModel Packとplug-inを購入してるユーザーがどうなるかは、まだわかんない。どうもリリースしただけで詳細はまだみたいだ。LINE 6の初期リリースの常として、バグも結構ある。

POD Farm window

POD Farmは、UIがアップグレードされたGearBoxって感じ。使えるモデルの数でグレードがある。GearBoxからモデルの追加/変更はないみたい。今回は追加料金なしでプラグインとしても使えるようになった。最初からそうしとけよと。ソフトの料金体系がややこしすぎるのだ。

ちょっと使ってみた感じでは、かなり使いやすくなってるっぽい。もっさり気味だったUIもかなりきびきびしてるし、メニューもわかりやすい。ただ、GearBoxからのアドバンテージが音的にないので、新規じゃない場合は値段次第の評価だなあ。

追記:GearBox plug-inのユーザーは、Monkeyのアクティベーションするボタンを押して「refresh」とタイプすればPOD Farmが有効になる。ModelPackを導入してたらちゃんとそれも反映されるみたい。あと、POD X3シリーズのユーザーは無料アップグレードの模様。

最近の本:ゼーバルト、アンソニー、ムダヅモ無き改革

自分でこういうラインナップはどうかと思う。

W・G・ゼーバルト『空襲と文学』

『空襲と文学』書影

ゼーバルト・コレクションの新刊。評論集。表題の「空襲と文学」のほか、ドイツ文学者の評論が3編。既刊のゼーバルトの中で、いちばんテーマがダイレクトに重い。

「空襲と文学」では、ドイツ文学界が、第二次大戦で自国の都市が絨毯爆撃で徹底的に破壊された事実から逃避していることを批判する。といっても声高にアジるのではなく、いつもの抑制された調子でつらつらと資料に当たっていくゼーバルトスタイル。爆撃された町の悲惨な様子が、淡々とした資料の引用で語られ、それがいかに語られてこなかったかを述べる。読んでる感覚は、広島や長崎の原爆資料を読んでる、あの感じ。

ほかの3編は、ぼくの知らない作家/画家の評論なんだけど、テーマは一貫して第三帝国。

ゼーバルトは社会や政治がどうこうっていう俯瞰的な視点へ進むことがない。あくまでも事実としての個人の感情や人生に焦点を当て、超越的な道徳や神の意志なんかは持ち出さない。もちろん、それはゼーバルトの意図だ。そういう欺瞞はゼーバルトが糾弾する対象なのだった。

アンソニー・ボーデイン『世界を食いつくせ! キッチン・コンフィデンシャル・ワールド・エディション』

借りて読んだんだけど、絶版だし、いいよね。日本ではディスカバリーチャンネルでやってる『アンソニー世界を食らう』のホスト、アンソニー・ボーデインの著書。世界各国に飛んでいろいろ食いまくる。番組はこの本の取材にテレビスタッフが同行して作られたそうだ。

本人がフレンチのシェフで、肉と動物性脂肪をこよなく愛するだけあって、そこらのグルメ料理紀行とは濃さが違う。屑肉や内臓料理のすばらしさ、伝統を守るシェフのプライド、自分の才能への絶望とともに語られる三つ星レストランのすごさ、などなど、おもしろい話がいっぱい。アンソニーはベトナムがお気に入りらしい。

大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』

小泉首相が世界の首脳と体を張った麻雀バトルを繰り広げる、素晴らしすぎるバカマンガ。ローゼン麻生閣下もカッコよく登場。麻雀知ってた方が笑えるけど、知らなくても大丈夫。そういう内容です。