最近買ったCDとか

あまりにもブログ書かなさすぎで反省中。

The Telescopes – Taste

ずっと欲しかったけど買ってないシリーズ。リマスターで再発されてたらしい。1曲目こそアコースティックな雰囲気もあるけど、そのあとはガレージ感あふれるインディーロック。たいへんすばらしい。こうでなくては。

Primal Scream – Screamadelica

欲しかったけど買ってないシリーズ。これもリマスター。サウンド的には懐かしのアシッドハウス、プロデューサーもThe OrbとかAndrew Weatherallとか、そっち系。ロック色こんなに薄かったのか。好きな曲もあるけど、今聞くと正直ちょっと微妙な路線かなあ。古き良き、って感じ。

How to Dress Well – Love Remains

Twitterで知ったチルアウト。たいへんすばらしい。フィルター具合が抜群。低音の出方とかすごいモダンな感じがする。やっぱりエレクトリックミュージックの音ってずいぶん変化してきてる。

Portishead – Dummy

欲しかったけど買ってないシリーズ。元祖ブリストル系のひとつ。ダークなブレイクビーツと容赦ないベースの低音とか、かっこよすぎ。でもイメージよりテンポ速めでダンサブルな感じが。このへんもサウンドが変わってきたってことなんだろう。昔はこれでもずいぶんローファイな音に感じたもんなんだけど。

ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』

なぜか新訳は現代のカタカナ読みになってるケルアックの代表作。ビートジェネレーションとかなんとか。例によって本人はそのレッテルを嫌ってたそうだ。

全編ひたすらろくでなしが車でぶっ飛ばしてアメリカ各地で大騒ぎするだけという、すごい小説である。それ以外はなんもなし。金がなくなると働いたりたかったりして工面し、後はなくなるまで飲む打つ買う。ほぼ実話らしい。ちょっとすごい。しかしまあ、そんな生活の楽しそうなことよ。

自堕落なたかりの自己正当化ストーリーだ! って切っちゃうこともできるんだけど、結局のところ堅実な生活だから保証されてることなんかなにもないし、いやでも発散させたいエネルギーってすごい重要ななにかの原動力だって気がしてる。「犬がほめられるのはなにもしなかったときだけさ」ってスヌーピーの台詞が頭をよぎる。おとなしすぎるのだって問題なのだ。

4AD Compilation, Ringo Deathstarr

最近いろいろ買えてません。ストイック。ていうか貧乏。あと、今年最初のブログ更新が3月っていうのもどうかと思う。Twitter効果だ。

4AD Compilation “When You Were Young, and Your Excitement Showed….”

長いタイトルの4ADのコンピ。老舗のインディーレーベルでPixiesやLushなんかが在籍してた。最近だとBlonde ReadheadとかSerena Maneeshなんかも契約してる。iTunes Storeで600円というお買い得価格だったのでちゃっかり釣られた。

最近のバンドを集めたらしいコンピなので、サウンドも今時。80年代前半を思わせるようなエレクトロ風味のニューウェーブ風味。なかなかすてき。1曲目のTwin Shadowと7曲目のThe Big Pinkがお気に入り。

Ringo Deathstarr – Colour Trip

ド直球なシューゲイザーサウンドのバンドの2nd。やっぱりシューゲ。ひゃっほう。シューゲには大きく2つある感じで、一方はアンビエントやポストロックに近いエクスペリメンタルなアプローチのもの、もう一方はRingo Deathstarrみたいなノイジーなポップソングでそのまんまノイズポップとか呼ばれたりする。で、ぼくはやっぱりポップなのが好きなのだった。

大推薦。ずっとこういう音楽をやってて欲しい。

コーマック・マッカーシー『平原の町』

マッカーシー祭りラスト。国境三部作の完結編。『すべての美しい馬』と『越境』の主人公が登場する。

既訳のマッカーシー作品の中ではいちばんストレートな展開。しかもラブストーリー。『越境』の後だと戸惑うくらい違和感が。ビリー(『越境』の主人公)って話すとこんなキャラだったんだね、という。悲劇に向けて加速する後半がすばらしい。解説にもあるけど、かなりのキャラ萌え小説である。

エピローグでは年老いたビリーがとある男と問答するんだけど、これが作家論みたいになっててなかなか楽しい。

これで既訳のマッカーシーは全部読んだ、はず。句読点も少なく引用符もない独特の文体が目を引くけど、ストーリーのネタそのものは書かれた時点からでも古くさい感じのものが多いように思う。世界がおそらく核戦争で滅んでる2006年の『ザ・ロード』なんかはまさにそう。にもかかわらず、はっとするような衝撃がある。やっぱり作家の必然で書かれているってことなんだろう。当然のように期待した展開にはならないし、結末もすっきりしない。読む人をかなり選ぶ。だけど、芸術ってそういうもんなんじゃないかな。そして、その意味でマッカーシーは間違いなくすごい。