コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』

コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』

マッカーシーの今のところ最新作。映画もやってたらしいんだけど、知らなかった。戦争かなんかで生物がほとんど死滅した世界で旅する父子の物語。

ショッピングカートを押して親子が旅するシチュエーションは『子連れ狼』を思わせずにはいられないけれど、拝親子が復讐の旅路なのに対して、『ザ・ロード』の親子はひたすら生き延びるために南へ旅をする。世界の荒れ具合がほんとひどくて、森はどこも焼けて炭だし、空は煤けて太陽は暗く、魚も鳥もいないし、いつも灰色の雨と雪。数少ないらしい生き残った人間の一部は暴徒になって、人間を狩って人肉を食べている。全編これ希望のない鬱道中だ。じっくり読んでるとつらくなってくる。

それでも物語の結末は、今まで4冊読んだマッカーシーのうち、いちばん希望を感じさせる。あんまり適切な言葉じゃないと思うんだけど、人間の善が残っていく希望がある。それが報われないとしても。

マッカーシーはやっぱりすばらしいです。うん。

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