Twitterでおすすめされたので読んでみた。すごい人気作家なんだね、知らなかった。SFのいろんな賞を獲りまくってる。かなり寡作らしく、この短編集で2003年までの作品はすべて、それ以降も3、4作短編があるだけだそうだ。
おもしろい。とにかくよくできてる。すごい密度。寡作なのもよくわかる。こんなにネタが詰まってたら、毎回書くのが大変だろう。ハードSF級のネタがホームドラマ的日常空間で展開されたりするあたり、すごい技量。そしてSFで残念になりがちな人間ドラマは、いろんな角度から検証されてて視点がクリアで、非常に公平なものになってる。これはすごい。
でもそのすごさを若干不満に思うのも事実で、明晰すぎ、健全すぎと感じてしまう。贅沢だけど。過剰や欠落のスリルはあまり感じられない。へなへなのインディー・ロックの手触りがない。それが悪いわけじゃないんだけど……。