スディール・ヴェンカテッシュ 『ヤバい社会学』

抜群におもしろくて、悲しい本。社会学者のヴェンカテッシュさんが、シカゴのギャングと文字 どおりつるんだ回想録。名著『ヤバい経済学』でネタになってた話が本になったもの。

のっけっからむちゃくちゃで、大学院で論文を書くネタにするため、地元のギャングが仕切る黒人のゲットーに、若きヴェンカテッシュさんが単身アンケート用紙を持って飛び込んでいくところから話がはじまる。変わったよそ者だってことで運良く仲良くなり、日常生活を一緒に過ごすようになる。ヤクの売人とギャング、貧困黒人コミュニティの日常が生き生き描かれる、っつーか全部実話。

貧乏コミュニティのどうしようもない現実には、読んでて涙が出てくる。親密な「家族」の連帯と助け合いにセットになっているのは、お約束の序列と身内びいきと賄賂と脅しに密告。『三丁目の夕日』なんかじゃ取り除かれてる、コミュニティの暗い面だ。コミュニティのリーダー——この場合、ギャングのボスや自治会長——は保護を与える一方で、メンバーから搾取する。時代劇によく出てくる、やくざの親分が仕切る宿場町ともイメージが被る。社会の普遍的な問題なんだな。

これはぜったい読むべき本。感想が好きでも嫌いでも構わない。

Ableton Live 8発表

愛用のDAW、Liveのメジャーアップデートのお知らせ。今回はかなり意欲的な新機能がたくさん盛り込まれてる。リリースは2009年第2四半期。アップグレード価格はちとアップグレード気味、でもユーロベースだと変わんないのだろうか。Liveのバージョンアップはいつもいい感じなので、今回も楽しみ。7はちょっとバグが多かったけどな!

Cycling ’74と共同開発のMax for Liveが、別売りみたいだけど気になる。Liveで動くMax。AkaiからLive専用コントローラーAPC40も発売される。すごいが、でかい。

ギターの弦

ダダリオと長門

ギターの弦など交換する。気がつけば2か月ほど経ってる。最近、張りたての音よりちょっと古くなった音の方が好きなので、前ほど頻繁に交換しなくなった。おかげで、いつ替えたか忘れてしまう。

使ってるのはD’Addarioのレギュラーライト(10-46)。ニッケルワウンドの定番。そういえば弦はあまりいろいろ試したことがない。D’Addarioが気に入ってるせいもあるけど。09-42のスーパーライトは音が不安定になりがちなので嫌いとか、そんなもん。

『ダークナイト』はよい映画

『ダークナイト』を見た。前評判で聞いてたのとはちょっとイメージが違ってたけど、おもしろかった。これは正統派ヒーロー映画だよね。

正義の苦悩みたいなことがよく言われてるみたいだけど、つまるところジョーカーが仕掛ける囚人のジレンマ的状況を、バットマンやゴッサム市民がどう克服するかって話。脚本家がゲーム理論を念頭に置いてるのは確実。

あと、バットポッドが非常にかっこいい。