ウラジーミル・ナボコフ 『透明な対象』

すっごい変な小説。ストーリーは冴えない男、ヒュー・パースンの生涯の記録、としかいいようがなく、たいしてドラマチックな展開をするでもなく唐突に終わっちゃう。でも、この小説はおもしろい。何が? そこかしこに仕込まれた小ネタが、どれもこれもニヤニヤするような楽しさと意地悪さに満ちてる。ぼくが気づかないようなハイレベルなネタも満載で、巻末の解説もためになる。鉛筆のうんちくで2ページも使うとか、なかなかお目にかかれない。ひたすら過剰な悪意のこもった人間描写もおかしすぎる。

笑いながら何回も読むのが非常に楽しい。

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